手に持つその感触を楽しむ。台湾からやってきた自然木のペン

筆記具が手元から減っている昨今だ。

昔と違ってペンや万年筆を使って紙にものを書く人は確実に減っている。事実、文作業を生業にするわたしがそうであるから。

キーボードで打鍵、スクリーン上に筆記をするスタイル。スマートフォンなど、もはや実体キーもない、ディスプレイ上を指をスライドさせて筆記する日常。

そういう流れの中で、あえて、紙とペンを持ち、昔からのやり方で筆記そのものを楽しみとするスタイルも趣味として確立されている。

台湾では空前の文具、雑貨ブームのようだ。

2年ほど前に台湾で文具の大掛かりなコンベンションフェアを視察に行ったことがあった。

大変な熱気に驚いた。

小さなブースがたくさん集まり、各ブースには雑貨や文具をデザインしたアーティストなどもいてそんなブースには人だかりができており、彼らに話を聞きたい、一緒に写真を撮りたいというファンの若者やプロバイヤーが群がっていた。

また、ブースでは「日本人なのか。ではカキモリを知っているか」と質問されてしまう。カキモリは蔵前にある万年筆やペン、ノートの専門店で、その小さな店からは想像がつかないような人数の顧客が高価な万年筆を求めてわざわざ台湾からやってくるそうだ。

そんな熱気あふれる台湾メイドの万年筆とボールペンがわたしの手元に届いた。

サンプルの扱いでまだ日本語パッケージもないその箱には、素朴でかわいらしい絵柄が施される。どうやら梨の木が描いてあるようだ。綺麗なパッケージを開くと木製のペンが現れた。

木肌の質感を生かしたなめらかな半つや消し、といった風情のペンだった。木のこぶや枝が見事な造形で、その個性に心惹かれる。

聞けば台湾農村部で農業廃棄物として焼却処理されてきた梨の木の枝、それらをリサイクルして価値を持たせようというプロジェクトから生まれたボールペンと万年筆なのだとか。廃棄物削減という取り組み、焼却処理で発生する大気汚染などを抑え、また一次産業でのリサイクル意識の啓蒙や価値観の創出などを理念として持ち、そういう部分でも価値が高いと言えよう。

製品名の「梨煙」は「Li-Yan」と読む。煙から逃げる、という意味が込められており、つまりそれは焼却廃棄から発生するガスなどを避けるという想いからつけられた名前なのだ。

手に取ってみると、その手触りの良さは特筆できるものだった。キメが細かくなめらかに仕上がった木の質感というものは印象が強く、他の感触に代え難いものがある。

ペン、である。常に手の中にあり、使う。そのペン自体の手への感触というのは重要なファクターだろう。そういう価値のある手触りがこれにはある。暖かい木の感触というのはペンというプロダクトに落とし込むには良いものだと実感できるものだ。

自然由来の素材であるため経年変化での「自分だけの1本」という価値が日々使う中で追加されていく可能性も想像できた。「育てる楽しみ」というものも内包しているのではないだろうか。

ウッドオイルと天然のミツロウの表面加工で温かい肌触りを実現している。何度手にとっても確かにこのすべらかな感触にはうっとりさせられる。低環境負荷の防錆防虫処理も行なっており、劣化ではなく経年変化を楽しめることが想像できる。

梨煙鋼筆、万年筆にはシュミット式ペン先が使われ、筆記具としての機能が担保される。当然ながらインク交換が可能で長く使っていける。梨煙原子筆、ボールペンもインク入りのペン軸を交換可能。長く愛用できそうだ。

この2つの筆記具はギフトに良いものではないだろうか。ブランドバリューをすでに確立している老舗筆記具メーカー製品との差別化を考えた時のチョイスにこれはセンス良い選択になる。

成長と歴史をイメージできる植物モチーフの製品という特徴は、ある一定以上のステータスを持つ人々へのユニークなプレゼントとして価値を持つだろう。農村部への還元やリサイクル意識啓蒙へのきっかけなど社会的意味を持つことも送る人と送られる人の間に付加価値を生むはずだ。

クラフトや文具のカルチャーシーンが大きく伸びている台湾の製品という部分で文具を趣味とする若年層に憧れのアイテムとして印象付けることもできるかもしれない。

胸のポケットに刺してやると、木のこぶがポケットから顔を出し、向かい合う相手からおやっという顔をされる。まるで木の枝を胸に挿しているようで、ちょっとしゃれている。それが楽しく、また、そこからの会話のきっかけになるのは素晴らしい。

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注文をし、到着までを待つ時間は楽しいのではないだろうか。自然の造形、この世に一つだけ存在する色と形のものがやってくる。どんな形の自分だけの1本がやって来るのか。想像して待つ時間は良いものになるだろう。
大切に長く使える、価値があるものだ。


Pear Pen – 枝の形を活かした表情豊かな万年筆 / ボールペン
Pear Penは、廃棄された梨の枝を使用し製作している、万年筆 / ボールペンです。台中のお土産として人気が高い商品です。

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